食中毒というと、夏の暑い時期に発生するものだと思っている人も多いです。
しかし、実際には1年を通して食中毒が発生しています。
ただし、どの時期でも同じ原因で食中毒になるというわけではなく、さまざまな原因が考えられるため、どのようなものが原因になりやすいのかを知っておくことが大切です。
原因が分かっていれば、あらかじめ対策を立てることも可能になります。
とはいえ、食中毒を完全に防ぐことは困難なので、対策を立てているからといって油断することはできないということに注意しなければなりません。
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食中毒の原因で特に多いもの
食中毒が発生しやすい食品としては、魚介類を挙げることができます。
特に多いのは貝類です。
生食用のカキで食中毒になったという人は少なくありません。カキの食中毒は症状もかなりひどいものになるため、安全なカキを見極めるようにすることが大切です。
食中毒を防ぐためには、生のまま食べるのを避けて、きちんと加熱する必要があります。
カキの場合、生食用と加熱用とがあるのですが、加熱用のカキを食べようとしているときの加熱が不十分で食中毒になってしまうケースが目立っています。
食中毒になりやすい時期
1年を通して発生する食中毒ですが、やはり夏場になると多発するようになります。
7月から9月にかけての時期が、食中毒の最盛期だといわれているのです。夏には食品が腐りやすくなるから食中毒が発生するのだろうと思いがちですが、必ずしも食品が腐っているから食中毒になるわけではありません。
新鮮な状態の食品だから安全だと思ってしまうと、食中毒で辛い思いをすることになります。たとえ新鮮な食材であっても、食中毒の原因となる菌に冒されている可能性があるのです。
食中毒の種類
食中毒は、大きく分けるとウイルス性のものと細菌によるものとがあります。
患者数を見てみるとウイルス性の食中毒が目立っているのですが、発生件数を見てみると細菌によるものが多いことが分かります。
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細菌性食中毒のランキング
どのような細菌が食中毒の原因になるのかを理解しなければなりません。
1位サルモネラ属菌
細菌性の食中毒のランキングでは、1位がサルモネラ属菌となっています。
サルモネラ属菌は鶏肉の汚染率が非常に高いことで知られていますが、豚や牛など、他の動物の腸管にも生息しているため、肉類を食べるときには注意が必要になります。
サルモネラ属菌の潜伏期間は5時間から72時間と幅があり、腹痛や水様性下痢、高熱などを引き起こします。
2位ウェルシュ菌
ウェルシュ菌は、集団食中毒につながる可能性が高いため、被害が拡大してしまいます。
ウェルシュ菌が生息しているのは土壌や下水などですが、人間の腸管などにも生息していることに注意が必要です。
健康な人の便からウェルシュ菌が検出されることもあるため、健康的な生活を送っているからといって安心することはできません。
ウェルシュ菌の特徴は、高温になっても芽胞が死滅しない点です。しっかりと食品を加熱して他の菌が死滅した場合でも、ウェルシュ菌の芽胞だけは残っていることがあります。
その他の原因
その他、腸炎ビブリオや黄色ブドウ球菌なども食中毒の原因となります。腸炎ビブリオは、主に魚介類が感染源となる菌です。
海水の温度が高くなったときに増加しやすいため、夏場に発生することが多いです。
また、調理道具を介して発生するケースもあることに注意しなければなりません。
また、黄色ブドウ球菌は穀類に多い菌で、にぎりめしが原因となるケースが目立ちます。指先などに切り傷がある場合は、食品に直接触れないようにすることが大切です。
嘔吐・腹痛・下痢などが主な症状ですが、数日程度で徐々に回復してきます。
ただし、嘔吐や下痢によって脱水症状を引き起こす場合があるため、しっかりと水分補給をするように心がけなければなりません。
以上、食中毒の原因についてでしたが、食中毒の自覚症状があれば、すぐに病院に行って適切な処置をしてもらうことが大切です。
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